シューマッハ第三世代EPO陽性 続報

シューマッハが陽性となったのは、ブレストとツールーズのステージで採取した血液だったそうだ。解散が決まったクレディアグリコルも最終日にフォフォノフが興奮剤で陽性となり、今度はやはり解散が決まっているゲロルシュタイナーシューマッハが陽性。ともに幕引きを前に後味が悪い。けれどシューマッハの場合はツールで区間優勝もしており、薬でほかの選手から優勝を奪ったことになる(*)。

ASOのプリュドムからじきじきに陽性の報を受け取ったホルツァーマネージャーは、身銭すべてをはたいてもシューマッハを訴える、とまで言っている模様。ちなみにホルツァーも、次に入団が決まっていたクイックステップのルフェーブルマネージャーも、「チーム内検査でも突き止められなかった」と述べているが、第三世代EPOの検出はチーム内検査の技術レベルでは無理だという。

ドイツ自転車連盟は、彼に対する懲戒手続きを開始。最低でも2年間の停止処分にするとしている。ただし、取引に応じて、供給元などの情報を話せば軽くすることもやぶさかでないと。そういえば、シンケヴィッツはA検体陽性ですぐに自白し、検察の調べに協力だったとして1年間の停止処分で済んでいる = だからリッコは2年間の処分で不服を述べている。「ボクはA検体ですぐに認めたのに、軽くならないの?」と。

ミラー、ドゥエニャス、そして五輪で陽性だった女子のモレノの3人は、同じスペイン人ロサ医師から薬物を提供されていた。選手の意識が向上しても、こうした弱みに付け込む悪徳医師が存在する限り、根絶には至らない。ミラー陽性は04年、モレノ陽性は08年。同じ医師が脈々と悪徳行為を繰り返している。
そんな中明るいニュースも。世界選のプレスルームで話題になっていたのだが、某チームの有望選手は、こうした悪徳医師から薬物の話をもちかけられたものの、断固として断ったという。潔癖の選手として、周囲から彼は高い評価を受けていた。

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(*) ツールでTTを2回とも制覇したときは、友人と、「シューマッハってTTスペシャリストだったっけ?」と話していたものだ。

シューマッハとピエポリが第三世代EPO陽性

世界選のあとに発表があるとされていたツールのさらなる薬物検査結果。遅れているようだが、このほどシューマッハとピエポリに陽性があったと、ツールで検査を担当したフランス反ドーピング機構が発表した。ピエポリはチームから解雇されたときにEPO摂取を告白し、その後否認している。シューマッハはテレコムから契約更新がとれずにラモンタというDiv3のチームに降格。翌年シマノメモリーコープ時代にラインラントプラッツレースで4勝の堅め勝ちをして一気にゲロルシュタイナーの移籍を獲得。でもこの過程で、陽性になっている。彼の親が医者なので、「あれは花粉症の薬です」、で済んだものの、おかしいという声は燻り、グレーのままだった。その後レースのない時期にアンフェタミンが検出されたが、WADAの規定でレース外のアンフェタミン陽性はドーピングとみなされないため、不問に付された。そうした過去の経緯もあり、彼はターゲット選手になっていた。
精度を増すために、尿検査に加え、血液サンプルも再検査して、今回の結果に到達したという。ランディスのように巨額の係争費用がかかったケースもあり、慎重に検査が進められている。ツールでは、疑義がもたれている選手がほかにもいると聞く。