FDJのクリストフ・ドゥティルーがリエージュにブラッセリー開店構想

ロット時代にJCで来日したこともあるFDJのクリストフ・ドゥティルーはFDJと来季契約延長をせず、ビジネス界に実を転じる構想がある模様。リエージュにブラッセリーを開店させる予定で、すでに現在家具屋のビジネスも始めている。選手たちは引退後どういう形で人生を描くか人それぞれ。べネトーのようにレキップの運転手として自転車界に残る人もいるし(Ref ツールレポート前々日編)、カニャダのように、現役時代から引退後を考え始める人もいる。

 ペタッキのサルブタモール規定値オーバーの件と、ある喘息もちの選手の話

先にイタリア五輪委員CONIは、ペタッキに1年の出場停止を求めた。ジロの最中、治療用として認められた喘息薬を許容範囲を超えて大目に摂取し、成分のサルブタモールが治療用範囲内として認められる規定値をオーバーした。五輪委員談話:「自分たちは規則に照らして違反を取り締まるのが任務なのだ」

一方で、イタリア自転車連盟はCONIの判断を拒絶した。同じようにサルブタモールの値が超えたレオナルド・ピエポリに関しても、モナコの自転車連盟が問題なしと認定。ペタッキの件は、今後さらに争われるとしたら、スポーツ調停裁判所の場において、という状況。

ところで、今年LBLの数日前にある選手に30分時間をもらって話をした。その際、彼は激しく何度も咳き込んで見るも気の毒な状況だった。話を一時中断しようかと思ったほどだった。それを彼に言ったら、喘息なのでいつものことだからそのまま話を続けていい と言われた。

こんな状態でトップレベルのレースに出場するのか、と しごく驚いた。喘息がひどくても、喘息薬の成分のサルブタモールが禁止薬物扱いなので、上限が決められている。薬を最低限のみの摂取で、我慢して耐えている選手は絶対にいる。治療用に禁止薬物上限をあげてもらっている選手は、去年の場合、ツール出場者中確か数10%だったと思う。かなり多い。その中で、耐えている人と、上限を超えてもいい人がいるのはやや不公平にも思う。例えばこういう症状が出たら第三者の立会いのもとさらに上限を緩める、とかはできないのかな。辛い思いをしながら薬を我慢している選手のことを考えると。

 ヤン・クールツの告白「選手を犠牲にして金儲けをしているこの世界の仕組みを変えるべき」

05年に引退し薬物摂取を告白していたヤン・クールツがオランダのSport Weekという雑誌(32号)に、薬に対して罪悪感がなかったという話を語った。始まりは96年のパリ〜ルーべ。マペイが上位5位のうち4人を占め、そのときに「みんなEPOをやっているから」と知った。彼も追随することにし、スペインの薬局で200ユニットを購入。簡単に買えた。処方箋は不要だった。選手が自らの判断で行っているケースが多かったが、多くの場合、監督も知っていた。「いい結果を残すためには必要だった」「罪悪感はなかった。みんなやっていたから」「少なくとも05年時点においては、トップレベルの選手はまだやっていた」。そしてこう締めくくった。
「まずは、過去現役時代に薬物をやっていた監督たちが率先してクリーンにしていかなければならない。彼らこそ、選手を犠牲にしてまで金儲けをしなければならないこの世界の仕組みをよく知っているのだから。選手がドーピングで捕まるとクビになるのは選手だけ。監督たちには非が認められない」