トム・ダニエルソンに同情する?それとも、プロとして自覚が足りない?

TDG追っかけアメリカ人女性ライダー、カレンとレネー2人のBlogを読んだ。うち1人はディスカバリーのトム・ダニエルソンの大ファン。トムにちょっと変な質問をしたところ、かなり冷たくあしらわれ、レネーは超がっかり。「ダニエルソンは所詮青二才だった!」と吐き捨てるという、なんともリアルな場面も。


で、このファンサービスというのは少々厄介だ。欧米では、選手はただ走ればいい、という風には思っていないようだ。引退後、TVキャスターなどとして人気を保つためにも、ファンのサポートなしには無理、と思っているから、ファンの選手を見る目は、レースの外においても厳しい。アクセル・メルクスが成績の割りにベルギーで絶大な人気を誇るのは、父親が偉大だから、という理由だけでない。彼にはプロ意識がある。彼の丁寧なインタビューの態度・姿勢をファンはすごく買っている。父から受け継いだ姿勢かもしれない。


でもって、以下、カレンとレネーのBlogから。ダニエルソンまじキレの瞬間
レネー:「トム、もしチームが自分の母親のチームを敵に回して走ることになったら、上りでアタックする?」
トム:「なんだってそんな質問を聞くわけ?僕のママのことを質問したいのか?」
レネー:「だって、面白い質問じゃない?」
トム:「ほかの質問にしてくれよ」
レネー:「OK。じゃあ、貴方のバイクは男、それとも女?名前は?」
トム:「ふざけてるのか?バイクに名前なんてないよ。僕はプロさ。君は何者だ?」
レネー:「ライターよ。」
トム:「君は自分のペンやPCに名前をつけるのか?」
レネー:「いいえ。でも私はサイクリストでもあって、バイクに名前をつけてるの。面白いじゃない。貴方のユーモアのセンスっていうのはどうなってるの?」
トム:「じゃあ、ママに関する最初の質問に答えるよ。彼女はあそこにいるからね。僕は上りでアタックはしない。だって、彼女は僕に上りでついてこれるわけがないからさ。」


。。。ということで、質問がくだらないので、トムが気の毒ではある。一方で、ジョークにたけているほかのアメリカ人だったら、もっとこういうのは普通うまくかわすと思うのだが。例えばランディスなんかは、同じ質問に、「アタックなんてする奴はいないよ」と答え、ブリュイネールは「アタックする」と普通に答えている。


レネーはダニエルソンと会話するのは2度目だが、最初もがっかりさせられ、ついにこの会話で、「ダニエルソンはつまらない青二才だった。母親の方がよっぽど感じいいが、その血を残念ながら引き継がなかったようだ」、と結論している。


ダニエルソン、英国の雑誌に日記を書いているが、確かにウィットに富んで、ユーモラス、といったエントリーはなく。堅物人間なのだろう。ただ、もう少し世事にたけて、うまくこういうのをかわしていかないと、最近は、ファンの目が厳しいから、大変だ。強くても人気ゼロ、ではやはり寂しい。その点、このレニーのエントリーへのコメントが面白かった。
「ハイ、君がキュートだったから、僕はナーバスになって、あんな答えをしてしまったんだ。そのうちデートしない?青二才のトム・ダニエルソンより」
いたずら書きだが、アメリカ人だったら、多分こういうユーモアを欲していたと思う。


で、このアメリカ人女性2人のブログは、下記情報から:

『TdGですが、面白いブログを発見したのでご紹介いたします。Maconでライター兼ライダーをされている女性二人組み、カレンさんとレネーさんが今回のTdGでの経験について綴っている、「Beyond the Spandex」です:http://cyclingmacon.blogspot.com/