ヨハン・ムセウの交信記録暴露
薬物疑惑の話が昨年から続いているムセウ。今回彼と獣医のSMSの交信記録が暴露された。
携帯電話同士で短い文字メッセージを送受信できるサービス、SMS。今回ムセウの薬物疑惑の証拠として、このSMSの交信記録が表に出たようだ。彼が薬物の入手先とされる獣医へ宛てたメールには薬物の隠語が登場する。
例えば「スズメバチの巣(ネスト)」と言ったらアラネスプを指す。EPOよりも効果が強く安価なアラネスプは、2001年ジロを走っていた選手の所持品の中からも発見された。
「チューブ」と言ったら注射、「洗濯機」と言ったら遠心抽出機(ヘマトクリットの値を測るための装置)を指す。これは、元ケルメのマンサノが、「選手仲間では薬をやる時は隠語で、こういった用語を使っているのさ」、と語ったので、スペインではこういった隠語の存在が 一般に最近知られるようになった。
このSMSの記録は2003年夏のもの。克明な記録も今回暴露された。
2003年7月2日
ムセウ:スズメバチの巣。1つくれる?水曜にトレーニングキャンプに行くんだ。7月28日まで薬物検査はないからね。
ランダウト(獣医):80/100のスズメバチだね。まずはトレーニングだったら40から60の間で始めれば、7月19日には完全にクリーンになるだろう。チューブでやらなくちゃだめだぞ。その後洗濯機で確認することだね。
ムセウ:皮下、或いは鼻腔からってのは?
2003年7月27日
ムセウ:2つ高かったよ。(ヘマトクリットの値を想像させる。)
ランダウト:下げるためのものを摂取するんだね。でも洗濯機で測ると、いつも1〜2ポイントは実際地より高目に出るよ。後は通常通りかい?
ムセウ:49以下だね。
2003年7月28日
ランダウト:いつもより水をたくさん飲め。他は大丈夫かい?
ムセウ:OK。コントロールも今の所ないよ。
2003年8月12日
ムセウ:デンマークに到着した。WADA(アンチドーピング協会)の検査があったよ。木曜午後から42だから問題ないよ。アシリンって何?
ランダウト:それはやめろ。
ムセウ:アクリダイン。
ランダウト:探してみる。でも高いぜ。時間がかかるし、効果のほどは試されていない。