オチョア兄弟を轢いた運転手に対する裁判の行方 : どちらが路肩をはみ出したのか?

日本の裁判は長いと言われているが、スペインの裁判も長い。裁判が長引いて、容疑者が釈放されたというケースもあったそうだ。スペインでは容疑者の拘留期限は決まっており、その間に裁判が結審しなかったのだ。
オチョア兄弟の悲惨な事故から5年が経った。ようやく今裁判が動き出した。元ケルメハビエル・オチョアが法廷に出頭した。オチョア兄弟を轢いた運転手に対する口頭弁論が行われたのだ。以前の求刑は、8ヶ月の免停と“はした金“の罰金だった。軽微な過失致死傷罪が適用されたからだ。このほどオチョア側は、傷害罪・傷害致死罪の適用を求めている。この場合7年間の禁固刑となる。加えて4,100,000ユーロの賠償金。

しかし起訴された運転手セバスティアン・フェルナンデス(事故当時、マラガ大学スポーツ学部長)は、「選手が路肩からはみだした」と主張。路肩の方に車がせり出してきた、という原告側と真っ向から対立している。事故直後 彼は、「脇見運転をしていた」、と言っていたのだが。。。
さらに、この事故で1人(リカルド・オチョア)が死亡、1人(ハビエル)が重傷を負ったのだが、「轢いたのは一人だけ」、と主張。「一人が飛んでもう片方にぶつかった」と。

現在争点となっているのは、どちらが路肩からはみ出ていたか。オチョア兄弟がどういう目に遇ったか、といった議論は余り反映されていない。今回法廷でオチョアの父リカルド(父は亡くなったリカルドと同じ名前)とハビエルが証言台に立った。彼らの証言には苦悩が滲んでいた。

ユーロNewsには事故当時の写真が掲載されている。事故現場に残されたケルメのキャップが痛々しい。